私が使ったHDMI分配器(AstroAI 2021年モデル)で、HDMI信号を2つに分配したとき、片方に信号が出力されない場合がありました。その原因を調べてみました。
一般的なHDMI分配器で「片方だけ映らない」という現象が起きる主な原因は、「接続している2つのモニター(テレビ)の性能差(解像度の違い)」と「EDID(ディスプレイ情報の伝達)の仕組み」にあります。
なぜこの現象が起きるのか、その原因と回避策を詳しく解説します。
1. 原因:解像度とリフレッシュレートの不一致(EDID問題)
これが最も多い原因です。HDMI分配器は、接続された2つのモニターの情報を読み取り、出力元の機器(PC、PS4/5、レコーダーなど)に伝えます。
このAstroAIのモデルのような一般的な分配器は、以下のどちらかの挙動をとります。
- A. 低い方の性能に合わせる(安全策):
- モニターAが「4K対応」、モニターBが「フルHD(1080p)対応」の場合、分配器は「低い方(フルHD)」に合わせて信号を送ります。
- 結果: 4KモニターにもフルHDの画質で表示されます(両方映るが画質は落ちる)。
- B. ポート1(メイン)の性能に合わせる(今回の原因の可能性大):
- Output 1に「4Kモニター」、Output 2に「フルHDモニター」を繋いだとします。
- 分配器がOutput 1の情報を優先し、出力元から「4K信号」を出させてしまいます。
- 結果: Output 1(4K)は映りますが、Output 2(フルHD)は4K信号を受け取れないため、「信号なし」やブラックアウトになります。
2. 原因:HDCP(著作権保護)のバージョン不一致
Netflix、Blu-ray、PS5などの映像には「HDCP」というコピーガードがかかっています。片方のモニターが古く、新しいHDCPバージョンに対応していない場合、そのモニターだけ映らないことがあります。
3. 原因:この分配器のスペック限界(4K 30Hz)
ご提示のモデル(AstroAI 2021年モデル)は、Amazonの仕様を見ると「4K @ 30Hz」までの対応である可能性が高いです(HDMI 1.4規格)。
もし、出力元(PS5やPCなど)が「4K @ 60Hz」や「HDR」の信号を送っている場合、帯域幅が足りず、動作が不安定になったり、ケーブルが長い方のモニターだけ信号が届かなくなったりします。
回避・解決する方法
以下の手順を順に試してみてください。
方法①:出力元の解像度を「低い方のモニター」に固定する
これが最も確実な回避策です。
- 映らない方のモニター(スペックが低い方)だけを単独で接続します。
- PCやゲーム機の解像度設定を開き、強制的に「1080p(1920×1080)」などの低い解像度に設定します。
- また、リフレッシュレートを60Hz(または30Hz)に固定します。
- その状態で分配器を介して2台とも接続し直します。
- ※これにより、ハイスペックなモニターも1080pで映ることになりますが、両方に映像が出ます。
方法②:接続するポート(端子)を入れ替える
多くの分配器は「Output 1」に接続されたモニターの情報を基準にします。
- 現在 Output 1 に繋いでいるモニターを Output 2 へ、Output 2 のものを Output 1 へ差し替えてみてください。
- 電源を抜き差し(再起動)して、挙動が変わるか確認します。
方法③:電源供給と起動順序の確認
このモデルはACアダプター(USB給電など)が必要です。
- 全てのケーブルを抜きます。
- まず分配器の電源だけをコンセントに入れます。
- 出力元の機器(PCなど)の電源を入れます。
- 最後にモニターの電源を入れ、HDMIケーブルを接続します。
- HDMIのハンドシェイク(信号の握手)を正しく行わせるためです。
方法④:ダウンスケーラー機能付きの分配器への買い替え(最終手段)
もし、「片方は4Kで見たい、もう片方はフルHDで映したい」という場合、ご使用のAstroAIのような単純な分配器では不可能です。
「ダウンスケール機能(Down Scaler)」を搭載した分配器が必要です。これを使うと、4Kモニターには4K信号を、フルHDモニターには自動で1080pに変換した信号を送ってくれます。
まとめ
現在の機材(AstroAI 2021年モデル)で解決するには、「出力元の機器(PCやゲーム機)の設定画面で、解像度を映らない方のモニターに合わせて(例:1080pまで)下げる」のが最も近道です。ぜひお試しください。







