お札の絵柄が、全部変わるんだって!
ニセ札対策なんだけど、キャッシュレスにしたら不要だね
20年ぶりに紙幣を刷新するようです。ニセ札対策が、紙幣一新の主目的だそうです。
アメリカや中国などは、偽札多いのがキャッシュレスが進んだ大きな原因です。
紙幣刷新とキャッシュレスについてまとめてみました。
紙幣刷新とコスト
紙幣の刷新を数年以内に行う意向であると、政府関係者が2019年4月9日未明に明らかにしました。
【毎日新聞のサイト】より
その後「2024年を目途に」ということが報道されました。実際に紙幣が変わるのは、少し先になります。
対応が必要になる金融機関には、安堵が広がっています。対応までに時間的な猶予があるからです。
紙幣刷新は、「令和」への改元に合わせたものではなく「偽札対策」が目的だということです。
紙幣と共に500円硬貨も新しくするため、「ATMや自動販売機に対し、新紙幣・新硬貨対応の需要が生まれ、経済効果も期待する」ということです。
需要を喚起して「お金を使わせたい」財務省と、少しでもコストを抑え「節約したい」経済産業省の違いが垣間見えるようです。
現金決済インフラの管理コスト
キャッシュレスを進める理由の一つに、「お金の管理コストを下げる」があります。
以下は、現金決済インフラの維持コスト(年間)です。
負担先 | 内訳 | 単位:億円 |
---|---|---|
国立印刷局 | 銀行券製造委託費 | 500 |
造幣局 | 貨幣製造コスト | 150 |
銀行(店頭) | 現金関連業務人件費 | 1000 |
店頭設備投資 | 760 | |
ATM(銀行・コンビニ) | 機器費・設備費 | 4120 |
輸送・警備委託費 | 1400 | |
ATM運営経費 | 1460 | |
流通・サービス業 | キャッシャーなど設備投資 | 600 |
現金関連業務人件費(レジ締めなど) | 5000 | |
ユーザー | 偽造紙幣被害 | 0.1 |
合計 | 14990.1 |
野村総合研究所の資料を元にまとめたものです。
合計すると、年間約1.5兆円が現金の維持に使われているということです。
ATM維持費に年2兆円
一方で、銀行やコンビニにあるATMの維持費は、年間2兆円だという試算もあります。2017年12月24 日に、日本経済新聞で報じられました。
出展:日本経済新聞電子版
日本全国に、ATMはおよそ20万台あり、1台の価格が300万円、警備や監視のシステムに毎月30万円かかる、とのことです。
紙幣刷新で対応のコスト
紙幣や硬貨を新しくすることで、さらにATMや自販機の対応コストが発生します。コストは需要の裏返しではありますが、他にコストを払うべきところがあるでしょう。
産業・技術開発、人材育成などです。
もっとキャッシュレスを進めて、不要なコストはカットすべきではないでしょうか?
キャッシュレスを進められれば
お金を「作る」「運ぶ」「守る」「使う」「集計する」「刷新する」。それらに、『兆』のコストを払っているのです。
キャッシュレスにすれば、このように削減できます。
偽造紙幣対策が必要なくなる
紙幣はなくならなくても限定的になります。「ホログラム」など高度な印刷技術が無くても済むので、印刷コストが減ります。
印刷する数自体も減ります。紙やインク、印刷設備も減らせます。
ATMが少なくできる
ゼロにはできませんが、ATM台数を減らせます。新規導入は減り、維持コストも減ります。
1台減らせれば、年間360万円。大きいですね。
レジも簡素化できる・レジ締めも要らない
「現金を渡して、お釣りをもらう」。こんな動作が無くなります。
QR決済なら、アルバイトでも外国人アルバイトにも任せられるでしょう。ローソンでは無人レジが運用され始めました。
集計も、キャシュレスならデータ化されているので、一瞬で終わります。
保管のための金庫も、警備も要らない
保管の場所も要らないし、警備の人や監視カメラとか要りません。
今更、紙幣を新しくする意味、あるのかな、と思ってしまいます。
今回が最後の紙幣刷新になるか?
これが、最後の紙幣刷新になるかもしれません。
キャッシュレスが急速に進んでいるので、これまでの紙幣刷新より経済効果が限定的という見方があります。
出展:日本経済新聞電子版
キャッシュレスが進んでいることで紙幣を一新しても、それほど経済効果が見込めないかもしれません。
最後の日本紙幣の「顔」になるかもしれない無い人
最高額紙幣の1万円札が、実業家の「渋沢栄一」の肖像になるようです。日本の顔が、思想家や宗教家でなく「お金第一」の実業家になってしまうのは、個人的にかなり残念です。
「お金儲け」が決して悪いわけではないけれど、「お金」は生きるための道具でしかない。「何のために使うか」が一番大切なので、それを示す思想や宗教がさらに大切です。
まだ、福沢諭吉さんの方が良かったし、聖徳太子が一番良かったと思います。
まとめ
奇しくも、キャッシュレスが進み、その役割が薄れつつある銀行。
その創始者である渋沢氏が、日本最後の高額紙幣の「顔」になるのも、時代の流れなのでしょう。
どうせなら、新紙幣には、3Dホログラムでなく、QRコードに暗号を埋め込んで欲しかったな。
最後の「紙幣刷新」になるのかな・・・